制作・引き渡し

採用サイトのヒアリングシート|質問項目・記入例と使い方

採用サイト制作前に使えるヒアリングシートを、29の質問と記入例で紹介。記入用Excel付きで、採用課題・仕事内容・素材・応募先・予算や日程の確認から、未回答の整理、サイト構成へのつなげ方まで解説します。

採用サイトのヒアリングシート。質問項目・記入例と使い方、29の質問とExcelテンプレートの案内。紙のシートを囲んで話す人物のイラスト。

採用サイトの制作前には、採用方針や仕事内容、応募先、原稿の準備状況などを確認します。情報を集めるためのヒアリングシートがあると、採用担当者と制作者が同じ項目を見ながら打ち合わせを進められます。

制作前のヒアリングに使える29の質問と記入例を用意しました。採用担当者が依頼前に整理するときも、制作会社やフリーランスが聞き取るときも使える内容です。

採用サイトのヒアリングシートをダウンロードする(Excel)

Excelには、空欄の「記入用」と、架空の企業を例にした「記入例」を収録しています。案件に合わせて質問を追加・削除してお使いください。

制作前に確認したい7分野・29の質問

以下の記入例は、産業用機器を製造する架空の企業が、中途採用の設計職2名・営業職1名を募集する想定です。質問の答え方を示すための例であり、採用目標や予算、制作期間の目安ではありません。

1. 採用の目的と現在の課題

最初に聞きたいのは、サイトを作る理由です。「応募を増やしたい」という要望が出たら、どの職種で、どの段階に困っているのかを確かめます。応募数の不足と、仕事内容を理解した応募者の不足では、必要な情報が変わるためです。

質問記入例
何のために採用サイトを新設・改修しますか?設計職の仕事内容を応募前に伝えたい。現在は会社概要と募集条件しか掲載していない
いつまでに、どの職種を何名採用したいですか?来年4月の入社を目標に、設計職2名・営業職1名の中途採用を予定している
現在はどこで募集し、どの段階に課題がありますか?求人媒体と人材紹介を利用中。媒体別の応募・面接・内定の件数は採用担当が集計する
サイト公開後、何を見て改善を判断しますか?職種別の応募数と、面接で「仕事の想像と違った」と言われる内容を確認したい。現状値は未集計

応募や辞退の理由は、担当者の印象と記録を分けて残します。「応募が少ない」と聞いた段階で、原因をサイトのデザインに決めつける必要はありません。求人媒体からの流入や募集条件など、サイト以外の要因も含めて確認しましょう。

2. 採用したい人と応募前の疑問

ターゲットは、年齢や雰囲気だけで表すと掲載内容につながりにくくなります。必要な経験と、入社後に覚えられることを分けると、仕事紹介や募集要項で説明すべきことが見えてきます。

質問記入例
職種ごとに、応募時点で必要な経験・技能は何ですか?設計職は機械設計の実務経験が必要。扱った製品の分野は問う必要があるか、部門長に確認する
必須ではない経験や、入社後に学べることは何ですか?自社製品の知識と社内の設計手順は入社後に学べる。営業職の必須条件は整理中
応募者からよく聞かれること、応募を迷われる点は何ですか?設計職では担当範囲、繁忙期の働き方、入社直後の研修についてよく聞かれる
応募者は他にどのような仕事・会社を検討していますか?採用担当の印象では、地域の機械メーカーが多い。実際の比較理由は面接記録を確認する

複数職種を採用する場合は、職種ごとに回答を分けてください。設計職への説明を、そのまま営業職の求める人物像として流用しないためです。

3. 仕事内容と募集条件

この分野では、仕事の実態を知る現場担当者にも参加してもらいます。採用担当者が把握している募集条件と、現場で説明できる仕事の具体例をそろえていきましょう。

質問記入例
入社後に任せる仕事と、担当しない仕事は何ですか?設計職は既存製品の改良設計から担当する。顧客との仕様調整をいつから任せるかは確認中
誰と、どのような流れで仕事を進めますか?営業から相談を受け、設計・製造の担当者と調整する。実際の案件を一つ選んで流れを説明する予定
勤務地・雇用形態・勤務時間・給与などは、どの資料で確認できますか?最新の募集要項を採用担当が用意する。媒体に掲載した古い原稿との差分も確認する
配属・研修・評価・キャリアについて、何を説明できますか?設計職は先輩と実案件を進めながら学ぶ。研修内容と配属後の相談先を部門長に確認する

募集条件をその場で思い出しながら埋めるより、社内で確認した資料を参照した方が、原稿作成時の食い違いを減らせます。資料名と確認日を回答欄に添えておくと、後で見直すときにも役立ちます。

4. 事業・会社の魅力を裏付ける具体例

「風通しがよい」「成長できる」だけでは、応募者が働く姿を想像しにくいものです。その言葉を使いたい理由や、実際の出来事まで聞いてみます。

質問記入例
誰に、どのような製品・サービスを提供している会社ですか?工場向けの搬送機器を製造している。導入先の具体名を掲載できるかは未確認
他社との違いを、実績や事例で説明できますか?顧客ごとに仕様を調整する仕事が多い。公開できる改良事例を営業と設計で選ぶ
働く環境や社風が伝わる出来事はありますか?若手の改善案を設計会議で検討し、図面へ反映した例がある。関係者へ内容を確認する
入社前に知ってほしい難しさや、仕事への期待は何ですか?設計だけで完結せず、製造側と調整する場面がある。調整が必要になった案件を取材で聞く

数字や制度を載せたい場合も、名称だけで終わらせず、集計時点や対象、利用実態を確認します。まだ裏付けがない言葉は、掲載するコピーとして確定させず、取材で確かめる候補として残しておきましょう。

5. 掲載内容と原稿・写真の準備

社員紹介や一日の流れを載せるなら、話を聞ける人や使える素材も必要です。載せたい内容と、用意できる内容を並べて確かめます。

質問記入例
応募者の疑問に答えるために、どんな内容を載せたいですか?設計職の担当範囲、案件の進み方、入社後の学び方を優先したい
既存の原稿・写真・資料で使えそうなものはありますか?会社案内と製品写真はある。社員写真は古いため、使用可否と撮り直しの必要性を確認する
誰に取材でき、誰が撮影や原稿作成を担当しますか?設計職の社員2名への取材を希望。取材・撮影・執筆を制作側へ依頼するかは未決定
素材の掲載可否は誰が確認し、いつまでに用意できますか?採用担当が社員・顧客関連の掲載可否を確認する。素材の提出日は取材日程と合わせて決める
希望するデザインや参考サイトはありますか? どの点を参考にしたいですか?製品と社員の写真を使い、実際の職場が分かる見せ方にしたい。ロゴや色の使用ルールは広報へ確認する

参考サイトを共有するときは、写真の使い方や情報の探しやすさなど、参考にしたい点を添えます。見た目の好みと、今回のサイトで解決したい課題を結び付けて相談できます。

社員インタビュー用のヒアリングシートは、ここで決めた取材テーマを詳しく聞くための別のシートです。制作前の段階では、誰に何を聞きたいか、取材を調整できるかを押さえておきましょう。

6. ページ・機能と応募までの流れ

どこまでを今回作るのか、応募をどこで受け付けるのかは、制作範囲に関わります。既存サイトや外部の採用管理システムを利用する場合は、その役割も確認します。

質問記入例
今回作るページ・掲載件数と、対象外にするものは何ですか?会社紹介、仕事紹介、働く環境、募集要項を候補にする。仕事紹介と募集情報は各2職種分。英語版は今回の対象外
応募ボタンを押した後、どこで応募を受け付けますか?既存の外部採用管理システムで受け付けたい。職種別にリンクできるかは管理担当へ確認する
検索・絞り込み・フォームなど、必要な機能はありますか?応募フォームはサイト内に新設しない案。募集の絞り込みが必要かは、職種・拠点数を見て判断する
既存サイト・ドメイン・サーバー・管理画面に関する条件はありますか?会社サイトとは別に採用ページを管理したい。設置先と既存サイトからのリンクは現在の管理会社に相談する

ページ数と掲載件数は分けて記録します。たとえば「仕事紹介」は一つの項目でも、2職種分の取材と原稿が必要かもしれません。まだ構成が決まっていなければ、候補ページとおおよその件数を残し、ヒアリング後にサイトマップで整理します。

7. 予算・日程・確認体制と公開後の運用

最後に、制作を進める条件を確認します。公開希望日だけでなく、社内確認や素材準備に使える時間も見ておきましょう。

質問記入例
制作予算の範囲と、予算に含めたい作業は何ですか?予算は社内確認中。取材・撮影・執筆を含む案と、社内で準備する案を比較したい
いつ公開したいですか? 動かせない予定はありますか?次の求人媒体掲載開始に合わせたい。掲載開始日は採用担当が確認し、そこから準備日程を相談する
原稿・デザインの確認者と、最終承認者は誰ですか?採用担当が窓口となり、仕事内容は部門長が確認する。最終承認は代表が行う
公開後は誰が何を更新し、困ったときは誰に相談しますか?採用担当が募集情報を更新する予定。操作説明と公開後の相談対応を依頼する範囲は未決定

回答を埋めた時点では、見積もりや制作条件の合意が済んだわけではありません。予算に収まるか、希望日までに素材がそろうかなどを、集まった回答をもとにすり合わせていきます。

ヒアリングシートは、事前記入と打ち合わせで使い分ける

事前には、答えられる範囲で記入してもらう

打ち合わせ前にシートを共有し、会社案内、現在の募集要項、既存サイト、使用したい写真などを用意してもらいます。制作者側でも公開情報を確認し、すでに分かることは記入案として入れておくと、当日は認識の違いや不足分に時間を使えます。

公開中の情報を転記した場合は、出典を添え、最新の内容か採用担当者に確認してもらいましょう。採用方針や予算など、回答者だけでは決められない項目は、社内での確認事項として残しておきます。

当日は、回答の背景と具体例を聞く

シートの順に全項目を読み上げるより、曖昧な回答や制作範囲に影響する項目を中心に話します。たとえば「会社の魅力を伝えたい」という回答なら、次のように掘り下げられます。

若手が活躍しているという回答から、任せている仕事と具体的な案件を質問し、改良設計の担当例と要確認の担当範囲・上司の支援内容を記録する3段階。確認先は本人・上司、期限は原稿着手前とする架空例。
架空の記入例。画像を開いて拡大できます。
最初の回答追加で聞くこと記録する内容の例
若手が活躍しているどんな仕事を任せていますか? 具体的な案件はありますか?入社2年目の社員が改良設計を担当した例。担当範囲と上司の支援内容を本人に確認する
応募が少ないどの職種で、いつからですか? 媒体ごとの件数は分かりますか?設計職の応募が少ないという認識。期間・媒体別の件数は未集計のため、採用担当が確認する
社員紹介を載せたい何を伝えるための紹介ですか? 取材できる人はいますか?入社後の学び方を伝えたい。設計職の社員2名へ取材を打診する

話を聞く相手によって回答が違うこともあります。たとえば採用担当者は未経験者も応募できると考えていても、部門長は経験者を想定しているかもしれません。どちらを制作の前提にするか、社内で確認する事項として残します。

打ち合わせ後は、回答と確認待ちを分けて共有する

Excelでは、回答の状態を「確認済み」「要確認」「対象外」から選べます。まだ扱っていない質問は空欄のまま、確認が必要な質問には「要確認」を付け、確認先と期限を添えてください。

「確認済み」は、その回答を関係者に確認したという意味です。掲載可否や制作範囲まで承認されたかは、必要に応じて回答欄に書き分けます。

項目回答・現状確認先と期限の例
設計職の応募条件経験が必要か、担当者間で認識が異なるため要確認採用担当から部門長へ確認。募集要項の原稿着手前まで
応募先外部の採用管理システムを使う案。職種別リンクは要確認管理担当へ確認。応募導線と制作範囲を決める打ち合わせまで
社員への取材2名を候補にした段階。本人と上長への打診が必要採用担当が調整。取材・撮影の日程確定前まで

実際の案件では、関係者と相談して具体的な日付を入れます。「後で確認する」だけで終わらせず、何を決める前に回答が必要なのかも伝えておくと、確認漏れに気づきやすくなります。

集めた回答を、サイト構成と制作範囲へ落とし込む

ヒアリングが終わったら、掲載する情報、用意する素材、今回依頼する作業を整理します。回答をそのままページ名にする必要はありません。たとえば「入社後の研修が不安」という疑問には、働く環境の説明と社員の体験談を組み合わせて答えられます。

回答から掲載内容を選ぶ際は、採用サイトのコンテンツ10選の掲載例と、材料に応じた優先順位の決め方も参考にできます。

採用サイトのサイトマップの作り方では、各ページの内容と応募までの案内を、構成例とともに紹介しています。

見積もりを依頼する前には、少なくとも次の点を、合意できた範囲と未決定の範囲に分けておきましょう。

  • 作るページと、初回に掲載する職種・募集情報・社員紹介などの件数
  • 原稿・写真の準備、取材・撮影をそれぞれ誰が担当するか
  • 応募先と必要な機能、今回の制作に含めないもの
  • 原稿・デザインの確認者、公開希望日と素材の提出日
  • 公開後の更新担当と、操作説明・保守・相談対応を依頼する範囲

社員取材を追加する、募集職種が増える、応募フォームを新たに作るなど、前提が変わると作業量や日程も変わります。未決定のものは仮の条件を明記し、決まった時点で見積もりへの影響を確認してください。

まずはシートを共有し、答えられるところと確認が必要なところを分けるところから始めてみてください。質問をすべて埋めることよりも、採用担当者と制作者が同じ前提で次の作業に進めることが大切です。