制作・引き渡し
採用サイトの作り方|制作の流れ・構成例と準備するもの
採用サイトの作り方を、準備から公開・運用まで解説します。内製・外注の選び方、サイト全体とトップページの構成例、原稿・写真の準備、制作費用と日程の考え方を紹介します。

採用サイトは、採用の目的と対象者を整理し、制作方法、掲載内容、ページ構成を決めるところから始めます。その後、原稿・写真の準備、デザイン・実装、公開へと進めます。公開後に募集情報を更新する担当者も、制作中に決めておきましょう。
この記事では、初めて採用サイトを企画する方に向けて、各工程で決めることと準備するものを説明します。内製・外注の選び方に加え、サイト全体とトップページの構成例、費用と日程の考え方も紹介します。
採用サイトを作る流れと、最初に決めること
制作の流れは、次のように整理できます。
- 採用の目的と、情報を届けたい人を整理する
- 予算・公開希望日をもとに、制作方法と担当を決める
- 掲載内容を選び、ページ構成を作る
- 取材・撮影を行い、原稿と写真をそろえる
- デザインを作り、Webサイトとして実装する
- 表示や応募の動作を確認して公開する
- 募集情報を更新し、閲覧・応募の状況から改善する
すべてを順番どおりに終わらせる必要はありません。たとえば、取材で説明すべき仕事が増えればページ構成を見直します。撮影日を調整している間に、募集条件や会社紹介の原稿を作ることもできます。

企業サイト内に作るか、採用専用サイトを設けるか
まずは、既存の企業サイトでどこまで採用情報を伝えられるかを確かめます。必要な説明を掲載でき、求職者が見つけやすく、担当者が更新できるなら、企業サイト内の採用ページを充実させる方法があります。
一方、職種ごとの仕事紹介や社員紹介など、採用向けの情報をまとめて見せたい場合は、採用専用サイトも選択肢です。既存サイトのメニューや更新方法に制約がある場合も、分けて運用する必要があるか検討します。
ここで決めたいのは、必要な情報をどこに置き、誰が管理するかです。別ドメインを取得するかどうかは、既存サイトの仕組みや管理体制も踏まえて、制作担当者と相談できます。
自社で作るか、外注するかを決める
制作を内製するか外注するかは、予算とあわせて、社内で確保できる時間・技能から考えます。画面を作る作業のほかに、取材、原稿作成、写真の選定、事実確認があることも見込んでおきましょう。
| 制作方法 | 向いている状況 | 自社で担う主な作業 |
|---|---|---|
| 自社で制作する | 制作・更新を担当する人がおり、必要な表現や機能を自社で扱える | 企画、素材準備、制作、動作確認、公開後の管理 |
| 制作会社へ依頼する | 社内の制作時間が足りない、企画や表現・実装の支援が必要 | 目的の共有、社内調整、情報提供、原稿・画面の確認 |
| 一部の作業を依頼する | 原稿は作れるが撮影は難しいなど、不足する作業が明確 | 依頼しない作業と、外部担当者への受け渡し・確認 |
制作会社へ依頼する場合も、取材や原稿作成まで含まれるとは限りません。「原稿は自社で用意する」「撮影から依頼する」といった範囲を、見積もり時にそろえます。公開後の修正や保守がどこまで含まれるかも確認してください。
制作ツールと、作業の担当を分けて考える
CMSは、文章や画像などを管理・更新する仕組みです。ノーコードの制作サービスや、テンプレートを使う方法もあります。ただし、ツールを使うことと、すべての作業を自社でできることは同じではありません。
ツールを選ぶ際は、必要なページや応募方法に対応できるか、更新担当者が操作できるかを確認します。利用料に加え、設定・保守にかかる作業も比較しましょう。制作会社へ構築を依頼し、公開後の原稿更新は自社で行う組み方もできます。
社内で仕事内容を説明できても、写真撮影とWeb制作の経験はない、という会社もあるでしょう。その場合は、取材の材料は自社で集め、撮影と実装を外注する案が考えられます。任せる範囲が具体的になるほど、依頼先とも話を進めやすくなります。
目的と採用したい人を整理する
「応募を増やしたい」という目的から、もう一段具体的に、どの職種の、どんな疑問に答えるサイトにするかを考えます。採用担当者だけでなく、募集部門にも、面接でよく聞かれることや入社前に伝えておきたいことを確認しましょう。
ここからは、産業用機器を製造する架空の会社を例にします。中途採用で設計職2名・営業職1名を募集している想定です。設計職の候補者からは、担当範囲や入社後の研修について質問が出ています。
この会社なら、制作方針を次のように具体化できます。
「設計職の経験がある人が、改良設計の担当範囲と、入社後に製品知識を身につける流れを理解できるサイトにする。」
この方針があれば、仕事内容を説明する際に、営業や製造との関係、入社直後に任せる業務、先輩の支援を確認できます。「やりがいのある仕事です」という抽象的な紹介から、応募を考える人の判断材料へと説明を進められます。
自社の情報を集める段階では、採用サイトのヒアリングシートも使えます。目的、対象者、仕事内容、素材、予算や体制を確認する質問と記入例をまとめています。
掲載内容を選び、サイトとページの構成を作る
掲載内容を考えるときは、会社が伝えたいことと、応募を検討する人が知りたいことを照らし合わせます。
仕事内容なら、担当業務や仕事の進め方。会社紹介なら、誰にどんな製品・サービスを提供しているか。働く環境なら、勤務場所や制度が実際にどう使われているかを説明します。募集条件、選考の流れ、応募方法も、迷わず確認できるように用意します。
社員インタビューや動画は、こうした情報を伝えるための形式です。先に形式を決めるより、説明したい内容と用意できる素材から選ぶと、取材の目的もはっきりします。掲載候補を詳しく比較したい場合は、採用サイトのコンテンツ10選を参照してください。
サイト全体の構成例
先ほどの機械メーカーなら、次のようなページ構成が考えられます。説明のための一例であり、必要なページ数を決める基準ではありません。
| ページ | 載せる情報の例 |
|---|---|
| トップ | 会社と採用の短い紹介、仕事紹介や募集情報への入口 |
| 会社・事業紹介 | 搬送機器が使われる場面、会社概要、事業の特徴 |
| 仕事紹介・設計職 | 改良設計の担当範囲、営業・製造との関わり、仕事の進め方 |
| 仕事紹介・営業職 | 顧客から聞き取る内容、提案の進め方、設計部門との連携 |
| 働く環境 | 勤務場所、福利厚生、研修や仕事を覚える過程 |
| 募集情報 | 設計職・営業職それぞれの募集条件、選考の流れ、応募先 |
この例では、仕事紹介から該当職種の募集情報へ進み、外部の採用管理システム(ATS)で応募する想定にします。募集情報を職種ごとに別ページにするか、一つのページにまとめるかは、条件の違いや説明量に合わせて決めます。
プライバシーに関する案内や問い合わせ先など、補助的な情報も確認が必要です。既存サイトの案内を参照できるものと、新しく用意するものを整理します。
ページの分け方や階層を詳しく検討する際は、採用サイトのサイトマップの作り方で、構成例と調整手順を確認できます。
トップページ内の構成例

サイト全体のページ配置が決まったら、各ページの中で情報をどの順番に見せるかを考えます。先ほどの会社のトップページなら、次の並び方が一案です。
- 最初の画面:何を作る会社かを写真と短い説明で伝え、募集職種へのリンクを置く
- 仕事を知る:設計職・営業職が担う仕事を紹介し、それぞれの詳細へ案内する
- 会社・事業を知る:製品が使われる場面を示し、仕事の背景を伝える
- 働く環境を知る:研修や職場の様子を紹介する
- 募集情報を確認する:職種ごとの条件・選考・応募先を案内する
この例で仕事紹介を早めに置くのは、設計職の担当範囲を知りたい人に、目的の情報を見つけてもらうためです。事業自体が知られていない会社なら、会社・事業の説明を先に置く方法もあります。
募集条件をすぐ確認したい人もいるので、ページ末尾まで読まないと募集情報へ進めない構成は避けます。メニューや最初の画面にも入口を設け、説明を読みたい人と、応募を検討したい人の両方が進めるようにします。
原稿・写真をそろえ、デザインと実装を進める
ページ構成が見えてきたら、どの説明に、どんな素材が必要かを書き出します。会社案内の文章や写真を使える場合もありますが、求職者が知りたい仕事や職場の情報が足りるかを見ておきましょう。
原稿と写真は、使う場面を決めて集める
設計職の仕事紹介なら、部門長や現場の担当者に、実際の案件を一つ選んでもらいます。顧客の相談を受けてから図面を変更し、製造側と調整するまでを聞けば、担当範囲を具体的に説明できます。
写真は、原稿のどの説明を補うかを決めて用意します。「図面を確認する様子」「製造担当者と相談する場面」など、用途を伝えて撮影を依頼しましょう。撮影前に、写る人や製品・資料を掲載してよいか確認してください。
集めた材料は、原稿の担当者へ渡して終わりにせず、内容を確認する人も決めます。設計業務は部門長、募集条件は採用担当者というように、事実を確認できる人へ依頼すると修正を進めやすくなります。
情報の配置から、実際に動く画面へ進める
デザインに入る前に、見出し・文章・写真・ボタンの配置を簡単な図で確認します。これがワイヤーフレームです。色や装飾より先に、必要な情報があるか、読む順番に無理がないかを見ます。
続いて、文字の大きさ、配色、写真の見せ方などをデザインします。最初からすべての素材がそろわなくても進められますが、完成前には実際の文章量と写真で確認しましょう。仮の短い文章では収まっていた説明が、原稿を入れると読みにくくなる場合があります。
デザインをWebサイトとして表示・操作できる形にするのが実装です。CMSや制作サービスを使う場合は、ページ作成や更新項目の設定などを行います。必要に応じてコードも使い、リンクや応募先への移動を含めて動作を確認します。
公開後に担当者が募集情報を変更するなら、制作中に一度操作してもらうと、更新しづらい箇所に気づけます。画面の完成とあわせて、日常の更新方法も確認しておきましょう。
制作費用と日程は、依頼範囲と素材から考える
採用サイトの費用を比較するときは、どこまで含まれる金額かをそろえます。同じページ数でも、原稿を支給する場合と、取材・撮影から依頼する場合では作業が変わります。
見積もりで確認したい費用の内訳
| 費用の項目 | 確認すること |
|---|---|
| 企画・構成 | 採用課題の整理、掲載内容の提案、構成案まで含むか |
| 取材・撮影・原稿 | 対象人数や撮影場所、原稿の本数、修正の範囲 |
| デザイン・実装 | 作るページと画面の種類、スマートフォン対応、修正回数 |
| 応募・更新の仕組み | 応募フォームや外部サービスとの接続、更新項目の設定 |
| 公開・維持運用 | ドメイン、サーバー、ツール利用料、保守や公開後の修正 |
初期費用と継続費用を分け、社内で原稿を作る時間も見込んでおきます。外注費が低くても、素材準備や更新に使える時間がなければ、予定どおりに進めるのは難しくなります。
依頼先には「採用サイト一式」だけで見積もりを求めず、ページ案、素材の有無、応募方法、更新担当、公開希望日を伝えましょう。未決定の項目がある場合は、その条件が変わると金額にどう影響するかを確認します。
公開希望日から逆算して、確認する時間も確保する
制作日程は、制作会社や担当者の作業時間に加え、社内で取材を受ける日、写真を撮れる日、原稿を確認できる日から考えます。
たとえば、先ほどの会社が8週間後の公開を目標に置いたとします。必要な担当者を確保でき、素材の確認も予定どおり進むという前提で、次のように日程を組む案があります。標準的な制作期間や、この期間での完成を保証する例ではありません。
| 時期 | 進める作業 | 次の工程に渡すもの |
|---|---|---|
| 1〜2週目 | 目的・制作範囲・ページ構成を決め、取材日を調整 | 構成案、必要素材、担当と確認日 |
| 2〜4週目 | 取材・撮影、原稿作成、画面内の配置を検討 | 確認済みの原稿・写真、配置案 |
| 4〜6週目 | 実際の素材でデザインを確認し、実装を進める | 表示・操作できる確認用サイト |
| 7〜8週目 | 内容・応募・更新を確認し、修正して公開 | 公開ページ、更新方法、運用担当 |
もし撮影が遅れるなら、先に募集条件や仕事内容の文章を固めることはできます。ただし、職場の写真が重要なページを仮画像のまま完成扱いにすると、写真が届いてから配置を直すことになりかねません。
公開日に間に合わない見込みが出たら、日程を見直すか、正確に説明できる範囲で先に公開するかを検討します。その場合も、募集条件や仕事内容など、応募判断に必要な情報を曖昧なまま残さないようにします。
公開前に確認し、公開後も更新する
公開前は、トップページの見た目に加え、求職者が仕事を知り、募集条件を確かめ、応募へ進む流れを通して確認します。
この会社なら、スマートフォンで設計職の仕事紹介を開き、設計職の募集情報へ移動し、正しい応募先へ進めるかを確かめます。募集条件を見比べながら戻れるか、ボタンや文字を操作・確認しやすいかも見ておきましょう。
内容と動作を、担当を分けて確認する
採用担当者は、仕事内容・募集条件・選考案内が最新で、求人媒体の情報とも食い違っていないかを確認します。募集時の明示事項は、厚生労働省の案内も参照してください。
制作担当者は、パソコンとスマートフォンで表示やリンクを確認します。応募フォームを設ける場合は、入力エラー、送信後の表示、通知の受信まで、担当者間で決めたテスト方法で確認します。外部の応募システムを使う場合も、遷移先の職種や受付状態を確かめます。
公開時には、制作中の閲覧制限や検索から除外する設定の扱いも制作担当者へ確認しましょう。公開後、Googleからの見え方はSearch ConsoleのURL検査で確認できます。詳しい考え方は、GoogleのSEOスターターガイドを参照してください。公開や確認が済んでも、検索結果への登録・表示が保証されるわけではありません。
情報を更新し、閲覧から応募までを見直す
公開したサイトへ求職者がたどり着けるよう、企業サイトや掲載中の求人媒体など、設置できる場所にリンクを用意します。採用担当者が候補者へ案内する際にも使えます。
その後は、募集条件や受付状況が変わったときに、誰が情報を受け取り、どのページを更新するかを決めておきます。社員紹介や制度の説明も、掲載時点から変わっていないかを確認します。
改善を考えるときは、サイトへの訪問、仕事紹介や募集情報の閲覧、応募という流れを分けて見ます。応募ボタンのクリックと、応募システムで受け付けた応募件数は別の数値です。どこまで確認できるかを整理したうえで、情報が不足しているのか、目的のページへ進みにくいのかを検討しましょう。
最初の準備では、採用したい職種、応募前によく聞かれること、すでに使える原稿・写真を持ち寄ってみてください。そこから必要な掲載内容を選ぶと、制作するページと、社内で用意するものが具体的になります。