制作・引き渡し

求人媒体・採用サイト・ATSの違い|役割と更新担当の分け方

求人媒体・採用サイト・ATSを製品名で固定分類せず、採用の6工程ごとに情報の正本、内容担当、更新担当、更新契機、障害時の一次確認を決めます。

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求人媒体、採用サイト、ATSを併用すると、同じ求人情報が複数の場所に置かれます。その結果、条件変更が一部にしか反映されない、募集終了後も古いページが残る、応募先の不具合を誰が確認するか決まっていない、といった問題が起こります。

これを防ぐには、サービス名だけで役割を分けるのではなく、採用工程ごとに「どこが情報の正本か」「誰が内容を決めるか」「誰が更新するか」を決めます。本記事では、求人媒体、採用サイト、ATSを併用する案件を、6つの工程から整理します。

結論:製品名ではなく、採用工程ごとに担当を決める

求人媒体、採用サイト、ATSには、一般に次のような役割があります。

種類主な役割の例重なり得る機能
求人媒体求職者との接点を作り、求人情報を届ける応募受付、候補者との連絡、選考状況の管理
採用サイト会社、仕事、社員、制度、求人条件を自社の情報として伝える求人一覧、応募フォーム、外部応募先への導線
ATS応募者情報、連絡、選考状況を管理する求人ページ作成、媒体連携、応募受付

ただし、これは製品を固定分類する表ではありません。一つのサービスが採用ページ作成、求人配信、応募者管理を横断する場合もあります。実際の役割は、契約中の機能と運用方法を確認して決めます。

案件で必要なのは、次の6項目を採用工程ごとに記録することです。

  1. 使用するサイトまたはサービス
  2. 情報の正本
  3. 内容を決める担当者
  4. 実際に更新する担当者
  5. 更新する契機
  6. 障害時に最初に確認する担当者

求人媒体・採用サイト・ATSは、機能が重なる

「求人媒体は集客、採用サイトは企業理解、ATSは応募者管理」と分けると、全体像は理解しやすくなります。しかし、その区分だけで実運用を決めることはできません。

たとえば、求人媒体側で応募を受け付ける場合があります。ATSが求人ページを生成し、媒体への掲載や応募情報の取り込みまで担う場合もあります。採用サイト内に応募フォームを置く場合も、外部のATSや求人媒体へ移動させる場合もあります。

そのため、「どの種類の製品か」ではなく、次の問いから決めます。

  • 求職者はどこで会社や求人を知るか
  • 会社や職場について、どこで詳しく理解するか
  • 求人条件の最新版をどこで管理するか
  • 応募情報を最終的にどこで受け取るか
  • 選考状況をどこで管理するか
  • 条件変更や募集終了を、どこへ反映するか

まず6つの採用工程へ分ける

最初に、現在使っているサービスを6つの工程へ配置します。一つのサービスが複数の工程へ入っても構いません。

工程確認すること使用先の例
認知・流入求職者が会社や求人を知る入口求人媒体、検索、SNS、広告、紹介
会社・職場理解仕事内容、社員、制度、文化を理解する場所採用サイト、企業サイト、採用広報媒体
求人詳細勤務地、賃金、勤務時間等の募集条件を確認する場所採用サイト、求人媒体、ATSが生成するページ
応募受付応募情報を入力し、受付完了を確認する場所サイト内フォーム、外部フォーム、ATS、求人媒体
選考管理連絡、日程、評価、選考状況を管理する場所ATS、求人媒体、社内システム
終了・改善募集終了と次回改善を反映する対象上記すべてと社内の記録

サービス一覧から考え始めるのではなく、この工程表へ現行構成を当てはめると、担当のない工程や二重管理を見つけやすくなります。

情報の正本・内容担当・更新担当を決める

ここでいう「情報の正本」とは、最新版として承認され、他の掲載先を更新するときの基準になる記録です。必ずしも公開ページである必要はありません。

たとえば、同じ求人の賃金が採用サイトと求人媒体で異なる場合、「両方とも正しい」として運用を続けることはできません。社内で承認した求人票、ATS内の求人情報、採用サイトの募集データ等から基準を一つ決め、他の掲載先をそこへ合わせます。

情報の種類ごとに正本が異なることもあります。

情報正本候補分けて考える理由
求人条件社内で承認した求人票、ATS、採用サイトの募集データ公開前の承認と複数掲載先への反映が必要になる
会社・職場情報社内の承認済み原稿、採用サイト求人単位より更新周期が長く、広報確認が入る場合がある
応募者情報応募を受け付けるサービス、ATS個人情報の取扱いと選考実務を伴う
選考状況ATS、社内の選考管理システム公開情報ではなく、採用担当者間の進行管理になる

正本を決めたら、内容を決める人と更新操作をする人を分けて記録します。人事が条件を決め、採用支援会社が求人媒体を更新し、制作会社が採用サイトへ反映する、といった分担もあり得ます。

自動連携があっても確認すること

「連携済み」という説明だけでは、運用条件は決まりません。自動連携を使う場合も、次を確認します。

  • どこからどこへ連携するか
  • どの項目が連携対象か
  • 更新が反映されるまでどの程度かかるか
  • 失敗時に誰へ通知されるか
  • 連携されない項目を誰が手動更新するか
  • 募集終了と再開が各掲載先へどう反映されるか
  • 本番公開前に、どのテスト求人やテスト応募で確認するか

連携元と連携先の両方を確認しなければ、送信側では成功に見えても、公開先に古い情報が残る場合があります。API連携、データ取り込み、外部ページへの遷移は同じ仕組みではないため、契約中のサービスで実際の動作を確認します。

条件変更・募集終了・障害時の更新順を決める

求人条件の変更や募集終了が発生したときは、担当者がその場で思いついた順に更新するのではなく、あらかじめ手順を決めます。

  1. 変更内容、適用日時、対象求人、承認者を確定する
  2. 情報の正本を更新する
  3. 自動連携または手動作業で各掲載先へ反映する
  4. 匿名状態で求人詳細と応募先を確認する
  5. 募集終了時は、応募導線と求人向け構造化データも確認する
  6. 確認日時、確認者、未反映箇所を記録する

厚生労働省は、募集情報について虚偽や誤解を招く表示を避け、正確かつ最新の内容に保つことを案内しています。詳しい制度と適用関係は、厚生労働省の公式情報と必要な専門判断を確認してください。

Googleの求人情報向けガイドでも、求人ごとのページ、正確な内容、応募方法、期限切れ求人の処理等が案内されています。JobPostingの公式ガイドに沿って実装しても検索結果への表示は保証されないため、公開ページと構造化データの一致を運用項目として確認します。

6工程の責任表を完成させる

案件ごとに、次の表を埋めます。空欄が残った工程は、サービスではなく責任が不足している可能性があります。

工程使用するサイト・サービス情報の正本内容担当更新担当更新契機障害時の一次確認
認知・流入
会社・職場理解
求人詳細
応募受付
選考管理
終了・改善

たとえば「求人媒体+WordPress採用サイト+外部ATS」の構成では、次のように始められます。これは一般的な正解ではなく、役割表を作るための例です。

工程使用先正本の例内容担当更新担当更新契機障害時の一次確認
認知・流入求人媒体承認済み求人票人事採用支援会社新規募集・条件変更・終了採用支援会社
会社・職場理解WordPress採用サイト承認済み会社原稿人事・広報制作会社または社内Web担当組織・制度変更、定期確認サイト運用担当
求人詳細採用サイトと求人媒体案件ごとに一つ選ぶ人事各掲載先の担当者条件変更・終了正本の管理担当
応募受付外部ATSATSの応募記録人事人事公開・応募先変更ATS管理担当
選考管理外部ATSATSの選考状況人事採用担当者応募・面接・合否ATS管理担当
終了・改善すべての掲載先終了承認と更新記録人事各掲載先の担当者採用決定・期限到来採用責任者

表を埋めた後は、次の4点を探します。

  • 同じ情報を複数箇所で正本にしていないか
  • 更新担当のいない掲載先がないか
  • 内容を決める人と公開操作をする人が混同されていないか
  • 未確認の自動連携や応募導線を、動く前提にしていないか

ここまで決まれば、求人媒体、採用サイト、ATSの一般的な役割分担は完了です。次に、採用サイトをWordPressで制作・運用する場合の設計へ進みます。

WordPressで採用サイトを作る場合の確認点

WordPressを会社・職場理解や求人詳細の担当先にする場合は、サイトへ載せる範囲と運用担当を具体化します。

WordPressへ求人情報を載せても、ATSや求人媒体との連携が自動で成立するわけではありません。採用サイト側の担当範囲を、6工程の責任表へ戻して確認します。

2GUを使う場合と使わない場合

2GUは、Web制作者がWordPress上で採用コンテンツと求人情報を制作し、採用担当者へ更新を引き渡すための制作キットです。求人媒体、ATS、応募者管理、採用代行を置き換えるものではありません。

次のような案件では、候補として確認できます。

  • WordPress上に会社・職場理解と求人詳細の基盤を作りたい
  • 制作者が案件ごとの文章、写真、色、構成を調整する
  • 公開後に採用担当者が主要な情報を更新する
  • Contact Form 7または外部応募ページへ応募導線を接続する

一方、ATSとの固有の自動連携、求人媒体への掲載保証、応募者・選考管理、案件固有の完成原稿やデザイン制作までを一つの商品へ求める場合は、2GUだけでは要件を満たしません。現在の対応範囲、外部フォーム、未確認環境、購入者側の確認事項は、導入判断の前に確認してください。

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